イヤホン難聴になる音量と時間の目安と今日からの対策

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電車やバスで、音楽の音量を上げたまま1時間以上聴き続けていませんか。イヤホン難聴は、大きな音を長く聴く習慣が何年も積み重なって起きます。

痛みが出ないので、聞こえにくいと感じたときにはもう進んでいることが多いです。危ない音量と時間の数字、スマホで今の音量を確かめる方法、耳鼻科に行く目安を順に見ていきます。

溝口さん
溝口さん

毎日2時間はイヤホンを使っています。これって危ない量なんでしょうか。

イヤホン難聴は4000Hzから始まる

イヤホン難聴で最初に聞こえにくくなるのは、4000Hz付近の高い音です。日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会は、この帯から落ちていくと説明しています。

耳の奥にある蝸牛には、有毛細胞が約2万個並んでいます。この細胞が音の振動を電気信号に変えて、脳へ届けています。大きな音を長く浴びると、有毛細胞は傷ついたり毛が抜けたりします。

4000Hzは、赤ちゃんの泣き声くらいの高さの音です。ふだんの会話にはほとんど出てきません。最初に落ちるのは会話で使わない高さの音なので、自分では気づけません。

大正健康ナビでも、少しずつ進むため、気がつかないうちに聴力が落ちていた人が多いと説明されています。ここは多くの人がつまずくところです。

危ないのは80dBを週40時間

WHOが示す許容基準は、成人で80dB・週40時間です。15〜34歳の若い世代では、75dB・週40時間まで下がります。

ここで気をつけたいのは、音が3dB大きくなるごとに、許容できる時間が約半分になることです。成人なら83dBで20時間、86dBで10時間まで縮みます。音量を少し上げただけで、聴ける時間は一気に短くなります。

85dBは、自動車の走行音くらいの大きさです。電車内の騒音は100dB前後あります。その中で外の音に負けない音量にすると、基準は簡単に超えます。

100dB以上の大きな音では、聴いた時間に関係なく急に難聴が起きることもあります。ライブ会場やヘッドホンでの大音量には気をつけてください。

数字の出どころは、日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会が2025年3月11日に公開したページです。同じ基準は大正健康ナビや同友会グループの記事でも案内されています。

最大音量の60%以下と60分ルール

安全側に寄せる音量は、再生機器の最大音量の60%以下です。まわりの人の会話が聞き取れる程度なら、危ない範囲には入りません。

60%では物足りない、と感じますよね。外がうるさい場所ではそう感じますが、静かな部屋で同じ音量にすると十分に聞こえます。足りないのは音量ではなく、まわりの静けさのほうです。

時間のほうは、連続して聴くのを60分以内にします。大正健康ナビでは、この2つを合わせて60/60ルールという呼び方で案内しています。1時間使ったら10分は耳から外す、これが休ませ方の目安です。

音量は最大の60%以下。連続で聴くのは60分まで。1時間ごとに10分は耳を休める。

電車の中でつい音量を上げてしまう人は、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンに変えると効きます。まわりの音が小さくなるぶん、音量を上げずに済みます。

遠野さん
遠野さん

60%といっても、自分の音量が何dBか分からないと決めにくいですね。

iPhoneなら今の音量をdBで確認できる

iPhoneには、今聴いている音が何dBかをその場で見る機能があります。画面の右上から下にスワイプしてコントロールセンターを開き、聴覚アイコンをタップします。数字が出るので、60%がどのくらいなのかを目で確かめられます。

音量を自動で抑える設定も用意されています。設定アプリを開き、「サウンドと触覚」から「ヘッドフォンの安全性」へ進みます。「大きな音量を低減」をオンにすると、決めたデシベルを超えたときに音量が自動で下がります。

同じ画面にある「ヘッドフォン通知」もオンにしておきたいところです。7日間で80dBを超える音を合計40時間聴いた時点で、知らせが届きます。WHOの許容基準と同じ数字が、そのまま端末側に入っています。

聴いた量の記録は、ヘルスケアアプリの「聴覚」からも見られます。ここまではAppleの案内ページに書かれている内容で、公開日は2025年11月10日です。

Androidは機種ごとに設定の置き場所が違います。共通の案内ページを確認できなかったため、お使いの端末のメーカー公式ページで確認してください。

耳が詰まったら2週間以内に耳鼻科へ

耳鳴りや耳が詰まった感じが残るときは、イヤホンを使うのをやめて耳鼻科に行きましょう。難聴は発症から2週間以内に治療を始めないと、聴力が戻りにくいとされています。大正健康ナビでも、早めの受診がすすめられています。

有毛細胞が壊れる前であれば、耳を休ませることで回復が見込めます。完全に壊れてしまうと、聴力は基本的に元に戻りません。治療はステロイドの服用や点滴が中心ですが、効き方には個人差があります。判断は医療機関にまかせてください。

次の項目に当てはまる数が多い人は、危ない使い方に寄っています。補聴器メーカーのWidexが紹介しているeo健康のチェックシートから、代表的なものを挙げます。

  • 話しかけられても気づかない音量で聴いている
  • 1日1時間以上、連続でイヤホンを使っている
  • 聞き返しや聞き間違いが増えた
  • 右耳と左耳で聞こえ方が違う
  • 耳が詰まった感じがすることがある
  • 聴いたあとに耳鳴りがすることがある

Widexの案内では、当てはまる数が3つ以上になると危険度が上がるとされています。健康診断の聴力検査では細かいところまで分からないため、気になる症状があれば耳鼻科で調べてもらってください。

溝口さん
溝口さん

耳鳴りが半日で消えたら、放っておいてもよさそうに思っていました。

イヤホン選びで耳の負担は減らせる

耳への当たり方は、イヤホンの形で変わります。ただし形を変えても、音そのものが耳の負担になる点は変わりません。音量と時間の管理が先で、形の話はその次です。

形 音の届き方 気をつけたいこと
カナル型 耳の穴に密着して直接届く 音圧が強く、長時間だと耳の負担が大きい
オープンイヤー型 耳をふさがず外の音も入る 外の音に負けて音量を上げがち
ヘッドホン 音源と耳の距離が少し離れる 耳を密閉するタイプは蒸れやすい

大正健康ナビでは、イヤホンよりヘッドホンのほうが耳への負担は小さいと説明されています。オープンイヤー型は耳をふさがないぶん圧迫感が少ないです。その一方で、周囲の音が入るせいで音量を上げてしまう使い方に注意が要ります。

耳に入れるタイプでは、シリコンのイヤーピースが外れて耳の中に残ることがあります。シリコンでアレルギー症状が出る人もいると案内されています。合わない感じがあれば、別の素材や形に変えてください。

今日から変える3つの設定

読み終えたあと、すぐ手を動かせる順に並べます。3つ全部やっても5分で終わります。

ステップ1は音量です。今の音量から2〜3目盛り下げて、最大の60%以下に収めます。まわりの会話が聞き取れるかどうかで確かめられます。

ステップ2は時間です。60分聴いたら10分は耳から外します。通勤が片道50分なら、帰りの分と合わせて自然に区切りが入ります。

ステップ3は端末の設定です。iPhoneなら「ヘッドフォンの安全性」で「大きな音量を低減」と「ヘッドフォン通知」をオンにします。自分で気をつけなくても、超えた時点で端末が下げてくれます。

イヤホン難聴は、一度進むと戻すのが難しい種類の難聴です。だからこそ、今日いじれる音量と時間から手をつけておくと後がラクです。

この記事を書いた人
溝口ゆういち
多くの製品をレビューしてきたガジェットライター。資格勉強にiPad+互換ペンを愛用しています。販売店などからリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。
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