5万円を超えるヘッドホンとなると、レビューを何本読んでも決めきれません。ソニーのWH-1000XM6は、前のXM5から3年ぶりに出た6代目です。値段の差は2万円ほどあり、そこを埋めるだけの中身があるかどうかが判断の分かれ目になります。ここでは公式の情報と実際に使った人の声を並べて、XM5と迷っている人が見るべき場所まで書いていきます。

正直、XM5でも十分なんじゃないかと思っているんですが。
3年ぶりに出た1000Xシリーズの6代目

WH-1000XM6は、ソニーのノイズキャンセリングヘッドホン1000Xシリーズの最新モデルです。価格.comの製品ページによると、発売は2025年5月30日。前のWH-1000XM5から約3年空いています。
値段の話を先にします。ソニーの公式ページでは、ソニーストアでの販売価格が59,400円(税込)です。価格.comの最安値は50,799円でした。どちらも2026年9月1日時点の数字なので、買うときに見直してください。
色は発売時のブラックとプラチナシルバーに、ミッドナイトブルー、サンドピンク、サンドストーンが加わって5色になっています。ノジマオンラインのレビューが出た2025年5月時点では2色だったので、後から増えた形です。
変わったのはノイキャンと折りたたみ
XM5から乗り換える価値があるかは、ノイズキャンセリングと持ち運びやすさをどれだけ使うかで決まります。ここが今回いちばん動いた部分です。
ソニーの説明では、新しいノイズキャンセリングプロセッサーQN3を積んでいます。従来のQN1に対して7倍以上の処理速度になり、両耳で12個のマイクを使って周りの騒音と装着状態を分析します。効き具合を自動で合わせるアダプティブNCオプティマイザーも入りました。
もうひとつが折りたたみ機構です。XM5では折りたためませんでしたが、XM6で戻りました。ノジマオンラインのレビューでは、キャリングケースがファスナー式からマグネット式に変わり、片手で開け閉めできる点も挙げられています。
| 項目 | WH-1000XM5 | WH-1000XM6 |
|---|---|---|
| NCプロセッサー | QN1 | QN3 |
| 折りたたみ | できない | できる |
| ケース | ファスナー式 | マグネット式 |
| 最安値の目安 | 31,102円 | 50,799円 |
通話とシネマモードで差がつく
音楽以外の使い方が多い人ほど、通話用マイクと動画向けのモードが効いてきます。在宅の打ち合わせや、家で映画を見る時間が長い人には見逃せない部分です。
通話用のマイクは、ノジマオンラインのレビューによるとXM5の4個から6個に増えています。ソニーの説明では、AIビームフォーミングとAIノイズリダクションで口元の声だけを取り出します。周りで誰かが話している場所でも、自分の声を分けて相手に届けられるとされています。
動画向けには360 Upmix for Cinemaが入りました。同じレビューでは、シネマモードにすると小さすぎるセリフが聞き取りやすくなったと書かれています。音量を上げると効果音だけ大きくなる、あの困りごとへの答えです。
音のチューニングも作り直されています。ソニーの説明では、著名なマスタリングエンジニア4名と一緒に調整し、専用設計のドライバーユニットで高音域の再現性を上げたとされています。ワイヤレスではLDAC、有線ではハイレゾ再生に対応しています。手持ちの音源がハイレゾなら、有線でつなぐ日も作ってみてください。
評価はサイトによって割れている
買う前に知っておきたいのは、同じ製品でも評価の点数が場所によってかなり違うことです。数字ひとつを見て決めないほうが安全です。
2026年9月1日時点で、ソニー公式のオーナーレビューは5点満点中4.5で352件。一方、価格.comのレビューは3.93で36件でした。件数も母集団も違うので、どちらかが正しいという話ではありません。
点数が割れる理由は、比べている相手が人によって違うからです。XM5から乗り換えた人は差が小さく感じ、はじめてこの価格帯を買った人は強く感じます。読むときは点数ではなく、自分と近い使い方をしている人の本文を探してください。
色で迷うなら指紋の付き方で選ぶ
5色から選ぶとき、見た目の好み以外に効いてくるのが指紋と皮脂汚れの目立ち方です。実際に使っている人のブログでは、ここが手放す理由になったと書かれています。
その方はブラックを買ったあと、触ったところの指紋が気になって手放しました。1か月後にプラチナシルバーで買い直したところ、同じように触っても汚れがほとんど分からなかったそうです。プラチナシルバーは真っ白ではなく、少しグレーがかった白だと説明されています。
毎日カバンから出し入れする人や、首にかけたまま歩く人はブラック以外も見てみてください。逆に、ロゴをはっきり見せたい人にはブラックが向いています。同じレビューでは、ブラックのほうがヒンジのロゴがくっきり見えると書かれています。

色を先に決めておくと、在庫のあるショップを探すのがラクになります。
イヤーパッドを社外品に替えない
買ったあとの注意点をひとつ。イヤーパッドを社外品に交換すると、ノイズキャンセリングが弱くなることがあります。夏場の蒸れ対策で替えたくなるところですが、先に知っておきたい話です。
先ほどのブログでは、冷却ジェル入りの交換用イヤーパッド(2,275円)を試しています。その結果、ノイズキャンセリングの効きが一段階から二段階ほど落ちたように感じたそうです。ひんやり感は得られたものの、純正パッドに戻したと書かれています。
汚れ対策なら、純正パッドの上からかぶせるカバーという手があります。同じ記事では、その形なら効きへの影響をほとんど感じなかったと書かれています。ヘッドバンド用のシリコンカバーは999円で、汗が気になる人に向いています。

安く済ませようとして、本体の性能を下げてしまうのは避けたいですね。
XM5と迷った人が見る3か所
最後に、決めるときに見る場所を絞ります。次の3つに答えが出れば、XM5とXM6のどちらかは決まります。
- 飛行機や新幹線に乗る回数。多いなら折りたたみとQN3の分だけXM6が生きます
- ヘッドホンで通話する時間。長いならマイク6個のXM6が向いています
- 差額の2万円をどこに使うか。音楽を聴くだけならXM5でも足ります
逆に、家で音楽を聴くだけで持ち歩かないなら、いま慌てて買い替える理由は薄いです。XM5の中古や在庫処分を狙うほうが現実的です。この判断が付いてから、色と販売店を選んでください。
溝口ゆういち多くの製品をレビューしてきたガジェットライター。資格勉強にiPad+互換ペンを愛用しています。販売店などからリサーチして最新の情報をお伝えするように努力しています。


